■説明 |
長期に最大モーメントを受ける部分の引張り鉄筋断面積は、RC基準(学会)には |
(1)長期荷重時に正負最大曲げモーメントを受ける部分の引張鉄筋断面積は、0.004bdまたは存在応力によって必要とされる量の4/3のうち、小さい方の値以上とする。 |
と書かれています。 |
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しかし、BST-Gシリーズは評定取得時からずっと「大きい方の値以上」を計算結果としていました。 |
これは、上記(1)の記述の後、 |
なお、非常に大きな断面を持つ場合、例えば、ウォールガーダーや基礎ばりではひび割れの危険も少なくなり、また現実に0.4%を入れられないことも考えられるので、存在応力による必要量の4/3でもよいという緩和を行った。 |
.....なお、コンクリート強度が大きい場合には曲げひび割れによる剛性低下が大きいので、0.4%より多めにするように配慮することが望ましい。 |
という一文があったことが理由です。 |
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つまり、弊社のプログラムでは |
@「非常に大きな断面を持つ場合」の判断ができない |
のが、大きな理由でした。 |
これは一定の判断基準の元に、プログラムで一意的に「非常に大きな断面という判断ができない、ということです。 |
しかも |
A0.4%を入れられない程の鉄筋量は算出されていない(4%を入れられない程の鉄筋量が算出されることは、断面が小さすぎるのでは?と思われるケースが多い)、という結果が得られるのが普通なので、それらを総合して、 |
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BST-Gでは基本的には0.004bdを選択する方法を取ることにしましたが、確実性を確保するため、結果として双方の「大きい方の値以上」を選ぶ方法となっていました。 |
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■変更 |
しかし、断面計算として「小さい方の値以上」で決定しても良いのは事実で、事実それによって鉄筋量も少なくなることもあります。 |
以上を踏まえて、今回は以下の変更を加えました。 |
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■機能 |
長期に最大モーメントを受ける部分の引張り鉄筋断面積を決定する方法を指定できるようにする。 |
指定内容は、 |
1)0.004bd以上 |
2)存在応力によって必要とされる量の4/3以上 |
3) 1と2を比較して小さい方以上とする(ディフォルト) |
4) 1と2を比較して大きい方以上とする(BST-G89TMUまでで採用していた) |
の中から選択できるようにしました。 |
ディフォルト値は、3(1と2を比較して小さい方以上とする)となっています。 |
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■入力 |
入力は既存の「M-18 断面計算条件(RC,SRC)」の中に、入力項目を追加して行います。 |
入力画面は以下のようになります。 |
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赤線で囲った部分が追加された項目です。 |
入力内容につきましては、マニュアル(PDF)をご覧ください。 |
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■出力 |
「M-18 断面計算条件(RC,SRC)」の入力内容は、断面計算方法」 → b. RC,SRC部材」の出力項目の説明で選択内容が印刷されます。 |
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赤線で囲った部分が追加されて印刷されます。 |
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但し、「4) 1と2を比較して大きい方以上とする」を選択した場合は、 |
※はりが「非常に大きな断面を持つ場合」の判断ができないのと「現実に0.4%の配筋が可能な状況」なので「存在応力によって必要とされる量の4/3倍」の緩和を適用しない |
という追加説明文が出力されます。 |
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赤線で囲ったうち、下の大きいほうが追加説明文です。 |
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